2020.01.26 Sunday
曼荼羅のみち<熊野参詣道中辺路 那智駅〜熊野那智大社>
<1月25日 熊野参詣道中辺路 那智駅〜熊野那智大社>
午前3時10分自宅を車で出発。山のまこの祖母・F様の病気平癒祈願が成就した御礼で今度こそは熊野詣ということで、まずは熊野那智大社を目指します。
[アクセス 高速道路]
大東鶴見IC→(近畿道)→松原JCT→(阪和道)→有田→(湯浅御坊道路)→御坊→(阪和道)→南紀田辺IC→(紀勢道)→上富田IC
途中、印南SAで持参の朝食を摂取。上富田IC下車後、一般道で本宮へ。
本宮大社前
午前6時過ぎに本宮に到着。まだ夜が明けていなくて外灯がないと完全に暗闇です。
熊野本宮大社 大鳥居
参道が暗くて先が見えないので、懐中電灯で照らしながら社殿に向かいます。
熊野本宮大社
参道の石段には当然段差があるので気をつけて行きます。この感覚は金剛山・千早本道の早朝登山の時のような神々しさがあります。
時刻は6時30分過ぎ。社殿前の門は午前6時に開門されるので、参拝はできる時間ですけど、懐中電灯など照明は用意する必要はありますね。参拝後、今度は那智に車で移動します。
◆早咲きの桜
道の駅なち
駅前には毎年1〜2月頃咲くという緋寒桜が開花していました。カメラ、携帯を携えて撮影する観光客が後を絶ちません。
午前8時 那智駅前を出発。熊野那智大社を目指します。
那智山まで約8kmの表記。往復で歩くと約16km。途中でしんどくなったら、バスに乗って帰ってくるつもりでした。
熊野三所大神社
5分ほど歩いて熊野三所大神社に到着、参拝致します。
補陀落山寺
続いて神社隣の寺にもお参りです。かつて中辺路・浜の宮王子社があったとされており、浜の宮浜から補陀落浄土を目指して渡海する場所だったそうです。補陀落渡海とは日本の中世に行われた捨身行の一つで、行者が渡海船に乗り込み、そのまま沖に出るという形態。日本各地で行が行われていた記録があるそうですが、特に那智の行が有名だそうです。復元された渡海船が置かれた建物がまだ開いていないので見ることができません。補陀落山寺の付近でかつての中辺路と大辺路が交差していたようです。
那智山までは一部古道の雰囲気がありますけど、ロードや集落を通り抜ける生活道路の区間がほとんどです。
県道46号を辿り那智勝浦道路を潜って行きます。県道は那智山まで車で何度か通ったことがある道路です。今回は歩いてみて、車で通った時は見逃していた点を探索して行きたいと思います。
川関の庚申塔
道路脇の大岩に佇む石塔。今まで石塔があるのに気がつきませんでした。相当古そうに見えます。
県道46号を那智川沿いに進みます。やはり古そうな石塔が建っています。
工事の重機の音が響き渡ります。度々自然災害に見舞われてきた熊野は、災害復旧が今日も続いているようです。
◆ステンレス風呂
岩鼻温泉
県道の道路脇で温泉が湧出しています。地名から「岩鼻温泉」と呼ばれているらしく、温泉マニアの方には有名で入湯する強者もいるのだとか!湯を触ってみると、ぬるめの湯で無味、ほのかな硫黄臭がします。このステンレス風呂は訪問してみたかったので、まずは目的達成です!
井関の集落に到達。「曼荼羅のみち」の石碑に誘われて県道を離れ、集落の方の道を進みます。
道標を確認しながら「曼荼羅のみち」の方へ入って行きます。
この先は集落を離れ、古道らしい杣道を進みます。
木道も整備されていますけど、板の中央部が浮き上がっています。
苔が蒸して熊野古道らしい雰囲気を感じます。
「曼荼羅のみち」
石垣が残り、かつては建物があったのかも知れません。
このあたりは竹林があります。
尼将軍供養塔
井関荷坂(通称岡山)の地に源頼朝の室・北条政子を供養した宝篋印塔が建てられています。源頼朝、北条政子夫妻は熊野信仰が篤く那智山の社寺建立もしていたので、熊野の人からも供養されていたのでしょう。
古道を市野々の集落へ下ります。
ふだらく霊園を通り抜けます。
柿の古木 源頼朝没後植樹されたそうで、数百年の樹齢でしょう。
集落を通り抜ける道を進みます。
市野々王子
9時07分市野々王子社に到着。以前私たちは一度だけ参拝したことがありました。現在の社名は王子神社。市野々は熊野参詣の頃は市が立てられ、八咫烏の子孫が住む集落といわれているそうです。参拝後、神社北側の小学校グランドでグランドゴルフをプレイする女性方と遭遇。八咫烏の末裔様はボールが入らないと本気で悔しがっておられました。
名前は分からないけど、山裾に祠をみつけたのでお参りして行きます。車で通過しているとこのような風景は見逃してしまうので、古道を歩いているからこそ見つけられた風景です。
9時30分 大門坂駐車場に到達。トイレに立ち寄ってから坂道を先へと進みます。
霊場の入口・振ヶ瀬橋を渡ります。
夫婦杉から先は情緒ある石畳の道。
大門坂
事前の雨で石畳が濡れていて滑りやすいのでそろり、そろりと歩きます。
全長約600m、高低差100mの坂を登った所の広場。かつて大きな門が存在したことが「大門坂」の名の由来となったといいます。
飛瀧神社に立ち寄って行きます。車道を下ります。
飛瀧神社 大鳥居
那智大滝の方へ石段を下って行きます。
那智大滝(一ノ滝)
飛瀧神社を参拝。冬は滝の水量が量が少ないというけど、最近は雨が多かったので轟音を立てながら落差約133mを一気に流れ落ちています。
飛瀧神社を参拝後は中辺路の道標を辿り熊野那智大社へ。鎌倉積みと呼ばれる急傾斜の石段を登って行きます。
伏し拝み
那智大滝の遥拝所で7月14日熊野那智大社例大祭の扇立て神事を行う聖地だそうです。先に進みます。
青岸渡寺
10時29分西国第一番札所を参詣。外国ツアー客を含めて多くの方々がお参りしています。ようやく那智山に辿り着くことができたと感慨深いです。
熊野那智大社
10時37分 熊野那智大社を参拝。那智駅から所要時間2時間30分あまりでココまで辿り着きました。
今年の絵馬 子
日本一のおみくじ
山のまこまさ共におみくじを引きます。結果はなんと二人揃って「大吉」でした。私は新年に入ってから体調を崩したり不運が重なっていたので、ぜひ運が上向くのを期待したいところです。
熊野那智大社参拝後、歩いて那智駅に戻ることします。復路は「曼荼羅のみち」は通らずに集落、車道沿いを辿ります。
井関の集落のある神社に参拝。
◆たらいの湯
井関の集落に温泉の湧出する場所があるとの情報があります。ただ場所が分かりにくいです。個人の家の敷地に侵入することはできないのでスマホで調べて場所を特定。
地元の人が足湯し、洗濯しておられます。
井関温泉
地元の方によるとNHKの取材があり、有名になったそうです。
湯は飲むことができるのでいただいてみます。味は無味のぬるま湯で、ほのかに硫黄臭がします。井関温泉は地元の方の生活の密着した温泉だと感じました。古道をさらに歩いて那智駅に向かいます。
12時30分補陀落山寺に戻ってきました。渡海船が展示されています。
曼荼羅の絵図に補陀落渡海の行が描かれています。当時は現在よりも海岸線は内陸寄りにあり、補陀落寺の前が直ぐ海だったようですね。二隻の引き船が補陀落船を同行して渡海上人が補陀落浄土に辿り着くことができるよう拝んでいるそうです。
12時40分道の駅なちに戻ってきました。農業物産店に立ち寄ります。
購入したまぐろをいただいて休憩。醤油をつけなくても鮮度抜群の赤身は美味しいに決まっています。
アップルパイも美味しかったです。
那智海水浴場
休憩後、駅の地下道を通って線路の向かいに渡ると目の前には海が広がっていました。神武東征時、かつて丹敷浦といったこのあたりから神武天皇は上陸して最終的に大和国に入ったと伝わります。
久しぶりに海水に触れました。
約800mの海浜が続いています。
丹敷の湯
道の駅に日帰り温泉が併設。営業時間13時00分からで古道歩きの汗を流しました。泉質は単純泉で、岩鼻温泉や井関温泉のような硫黄臭は感じられません。入湯後は本宮経由で中辺路沿いを辿り渋滞もなく夕方には大阪に帰りました。お気に入りの熊野に行って元気になることができた気がします。
<1月26日 金剛山>
午前8時30分豊田駐車場を出発。ルートは千早本道往復です。山頂9時14分で気温0℃。下山終了10時20分でした。夜間の雨が雪へと変わり山頂付近に少し雪が積もったようです。気温が上がればすぐに融けそうな雪でアイゼンは使用せずに済みました。山頂に44分で到着。765回目の捺印をいただき広場へ。
本日のかまくら
転法輪寺にお参り致します。積雪はあるけど、霧氷は見られません。
珍しく雲海が綺麗で新道(自衛隊道)を通って下山しました。
下山後、富田林の瀧谷不動尊にお参致しました。祈祷の時間だったので参詣者で賑わっていました。
◆ランキング◆
落人様
コメントいただきありがとうございます。グレートトラバース3で田中陽希さんはダイヤモンドトレールを歩いておられました。だいたい「人力踏破」って言葉があるのを陽希さんの旅で知りましたよ。
落人様も補陀落山寺に行かれていましたね。金光坊、平維盛、日秀上人など補陀落渡海に関するエピソードを知らなかったのでブログを拝見して勉強になりました。穏やかな海を眺めていると、かつてそんな壮絶な渡海が行われた場所だとは想像もできません。ビニールプール風呂やポリバス風呂ってよく見つけましたね!湯ノ口温泉は私も行きたいところです。
お祖母様は今年百寿を迎えられます。退院後介護保険サービスを利用して家族の支援も受けながら在宅での独居生活を継続されています。その気力は私も見習いたいです。